第55回日本泌尿器科学会総会シンポジアム 膀胱癌—治療を中心にして
電気凝固術
大北 健逸
1
Kenitsu OHKITA
1
1岡山大学医学部泌尿器科学教室
pp.766-767
発行日 1967年9月20日
Published Date 1967/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200237
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我々の教室での1947年より1965年末までの膀胱癌入院患者数は572例で,その中本日の議題である早期癌の治療法としての電気凝固術は163例,部分切除術は128例である。しかし今,術後成績として5年生存率を求めるなれば1962年以降の症例は満5年を経過していないので,本日は1961年末までの術後経過の明らかな電気凝固術80例について,また同時に部分切除術72例の成績についても述べ,早期癌の治療法その中殊に電気凝固術の根治性に論及したい。
電気凝固術の治療成績:浸潤度と生存率では第1表のように,その中早期癌の5年生存率は,0+Aが30/36(83.3%),B1は17/25(68.0%)で早期癌の小計では47/61(77.0%)となり,浸潤度別総数80例の5年生存率は51/80(63.7%)である。
分化度と生存率では乳頭腫+Ⅰ度乳頭状癌は21/26(80.7%),Ⅱ度乳頭状癌で19/25(76.0%)であり,早期癌の小計で40/51(78.4%)となる。
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