Japanese
English
検査法
腎動脈撮影
RENAL ANGIOGRAPHY
黒田 恭一
1
Kyoichi KURODA
1
1金沢大学医学部泌尿器科学
1Department of Urology, School of Medicine, Kanazawa University
pp.43-50
発行日 1967年1月20日
Published Date 1967/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200078
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Ⅰ.はじめに
腎動脈撮影はDos Santos(1929)による経腰的大動脈撮影に始まつているので,決して新しい検査法とは言えないが,往時は腎動脈および主要分枝の描出に止まり,器具・装置の未発達も手伝つて補助診断的価値が一部の人達により認められていたにすぎなかつた。しかし近年に至り腎血管性高血圧が注目され,血管外科的治療が臨床に応用されるに及んでにわかに普及の兆を見せ,それとともに器械や手技の面でも改良が加えられ,いまや日常の臨床検査法としての確固たる地位を占めるに至つた。すなわち,本邦における普及状況については,1965年5月に行なわれた,第53回日本泌尿器科学会総会のシンポジウム1)において後藤2)により明らかにされたが,そのアンケート調査によると,実施機関は全国大学および主要病院で回答のあつた132機関中100となつており,また例数は約5800例に達している。なお今日では血管の形態的変化に止まらず,血行動態の観察を目的とした連続撮影法も普及し,さらに腎動脈撮影手技が骨盤動脈撮影にも応用されつつある。
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