Japanese
English
グラフ解説
腎動脈撮影と妊娠中毒症
Renal arteriography and toxemias of pregnancy
田坂 晧
1
,
松平 寛通
2,4
,
田中 敏晴
3,4
Akira Tasaka
1
,
Hiromichi Matsudaira
2,4
,
Toshiharu Tanaka
3,4
1東京大学医学部放射線科室
2癌センター放射線部
3東京警察病院産婦人科
4東大
pp.952-955
発行日 1963年12月10日
Published Date 1963/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202940
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はじめに
1929年にdos Santosが,経腰的腹部大動脈撮影(Translumbar Aortography)を始めてから,これによる腎動脈の造影写真が,腎疾患の診断に役立つことは広く知られていた。しかし最近数年の間に造影手技がいちじるしく改良されて,カテーテルによる腎動脈の選択的血管撮影(Selective Angiography)が前記の方法に代つて欧米で広く使用されるようになり,これにより一層完全な造影ができることが知られ,診断価値がさらに高く評価されるようになつた。
撮影手技を簡単にのべると,1953年にスェーデンのSeldingerが考案した経皮カテーテル法(Percutaneous Catheterisation)にしたがい,左右いずれかの股動脈を穿刺針で穿刺し,可橈性のGuide Wireをこの針を通して動脈内に入れ穿刺針だけを抜去する。次いでワイヤーに内径の合うカテーテルをワイヤーにかぶせて進め動脈の中に挿入する。ワイヤーだけを抜去するとカテーテルのみが血管の中に残ることになる。カテーテルはポリエチレンであるがX線を吸収する材質でつくられており,X線透視下で目的のところまでその先を進める。
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