Japanese
English
特集 副腎腫瘍を再考する―診断と最新の低侵襲治療
クッシング症候群
Cushing's syndrome
宮嶋 哲
1
,
服部 盛也
1
,
大家 基嗣
1
Akira Miyajima
1
,
Seiya Hattori
1
,
Mototsugu Oya
1
1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
キーワード:
副腎腫瘍
,
クッシング症候群
,
低侵襲治療
Keyword:
副腎腫瘍
,
クッシング症候群
,
低侵襲治療
pp.600-606
発行日 2014年7月20日
Published Date 2014/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103636
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要旨 クッシング症候群はコルチゾール過剰に伴う多彩な臨床所見を呈し,放置すれば糖尿病,骨粗鬆症,高血圧,心血管系合併症,感染など,患者のQOL,さらには生命に影響する多彩な合併症をきたす。それゆえに早期診断,治療が極めて重要な疾患であるといえる。クッシング症候群の病態はACTH非依存性と依存性に大別され,前者は副腎腫瘍によるコルチゾール過剰の病態であり,原発性アルドステロン症や褐色細胞腫と同様に治癒可能な副腎性高血圧の一疾患として位置づけられる。以前は治療法としては開放手術が選択されていたが,1992年にわが国でGoらが原発性アルドステロン症患者に対して世界で初めて腹腔鏡下治療を行って以来,低侵襲治療としての腹腔鏡下副腎摘除術(laparoscopic adrenalectomy:LA)が広く普及し,現在ではgolden standardとなっている。最近では腹腔鏡下手術よりもさらに低侵襲な治療を目指し,単孔式腹腔鏡下副腎摘除術(laparo-endoscopic single-site surgery:LESS)も行われており,低侵襲かつ安全な治療法が模索され,そのエビデンスが蓄積されつつある。
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