増刊号特集 前立腺癌の診療ナビゲーション―わかりやすく丁寧に!
Ⅱ 前立腺癌の診断
《画像診断》
8.MRI検査
大森 聡
1
1岩手医科大学医学部泌尿器科学教室
pp.72-75
発行日 2014年4月5日
Published Date 2014/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103488
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013
Q MRI検査の実際と注意点について教えてください。この検査は,なにを確認するために行うのでしょうか。
Point
《T-病期診断としてのMRIのポイント》
●少なくとも生検後3週間以上空けて施行する。
●可能であればダイナミック造影MRIを追加する。
●T2強調像(ダイナミック造影MRIのT2強調像)で所見を認めた場合,拡散強調像(diffusion weighted image:DWI)の所見や生検による病理診断情報と比較して,T2強調像の画像所見が癌病巣であることを確認する。
●そのうえでT2強調像(ダイナミック造影MRIのT2強調像)において被膜外浸潤の判定を行う。
《癌検出としてのMRIのポイント》
●少なくとも3テスラ(3T)の診断装置を用いて,T2強調像,ダイナミック造影MRIのT2強調像,DWI,プロトンMR spectroscopy(MRS)などを組み合わせて診断された前立腺癌所見は80%程度の信頼性があると思われる。
●一定の診断能を有する反面,現状の針生検を凌駕する評価には至っていない。
●現状では,針生検の補助診断や生検困難例など限定的な症例に対するスクリーニング検査の認識にとどめておくのがベターだと思われる。
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