特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
7 腫瘍
その他の腫瘍
097 後腹膜腫瘍
初鹿野 俊輔
1
,
小山 政史
1
,
上野 宗久
1
1埼玉医科大学国際医療センター
pp.279-280
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103166
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1 概念・病因
後腹膜はさまざまな成分の組織を含むため,発生する腫瘍の組織型も多岐にわたる(表1)。本項では中でも問題になる後腹膜原発軟部組織肉腫(retroperitoneal sarcoma:RPS)について詳細を述べる。
RPSは悪性疾患のうち比較的頻度は低く,全軟部組織肉腫の中でも15%程度である。好発年齢は60歳代であるが,幅広い年齢に発症する。男女差はやや男性に多い。RPSはかなり大きくならないと症状を呈さないため,診断時に局所進行している症例が多い。症状としては,腫瘤触知や,鈍痛,腹部不快,全身倦怠感などを呈する。組織学的には悪性度の高いものが多いのが特徴的である。組織型としては脂肪肉腫(41%),平滑筋肉腫(28%),悪性線維性組織球腫の順に多い。また,初診時に転移を有するものが10%ほどあり,好発転移部位は肺・肝である1)。
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