特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
7 腫瘍
副腎腫瘍
083 褐色細胞腫
石戸谷 滋人
1,2
,
海法 康裕
1
,
荒井 陽一
1
1東北大学医学部泌尿器科
2仙台市立病院泌尿器科
pp.241-243
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103152
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1 概念・病因
副腎髄質由来のクロム親和性細胞の増殖-腫瘍化したもので,生物学的には副腎外に発生するパラガングリオーマとまったく同一のものである。全国的な疫学調査によれば,発症に男女差はなく,推定発症年齢は40~45歳,症候性(高血圧あり)が65%,無症候性が35%である。副腎外,両側性,悪性は約10~11%,家族性発生は約5%とされている1)。
家族性発生では,多発性内分泌腺腫症(multiple endocrine neoplasia:MEN)のⅡ型に合併することが知られている。ほかの特徴的な併存疾患として,ⅡAでは甲状腺髄様癌と副甲状腺病変が,ⅡBでは甲状腺髄様癌,粘膜神経腫,Marfan様体型,巨大結腸症がある。Von Hippel-Lindau病や神経線維腫症Ⅰ型にも褐色細胞腫が合併することがある。
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