特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
4 尿路・性器の感染症
寄生虫疾患,真菌感染症
068 フィラリア性乳糜尿症
大城 吉則
1
,
町田 典子
1
,
斎藤 誠一
1
1琉球大学医学部泌尿器科
pp.202-203
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103137
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1 概念・病因
乳糜尿症は蚊によって媒介されるバンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)のリンパ管内への寄生によるリンパ管炎が原因で,リンパ管と腎杯・腎盂そして尿管などの尿路との瘻孔が形成されたことによって起こる1)。本来なら腸管から吸収された脂肪は腸管のリンパ管を経由して胸管に運ばれるが,リンパ管と尿路に瘻孔が形成されると,脂肪の多い食事を摂取したときに尿路に脂肪球,リンパ液が漏れ出てくる。その際に尿が白色混濁した状態を乳糜尿,そして血尿を合併したときには乳糜血尿の状態となる。
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