特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅰ 症状・徴候からのアプローチ
外陰部の症候
016 尿道分泌物
磯谷 周治
1
1帝京大学医学部泌尿器科
pp.54-55
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103084
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1 定 義
尿道分泌物は尿道より分泌される液状の分泌物で,分泌物は陰茎背部を尿道に沿って根部から外尿道口の方向に押し出すようにすることで確認することが可能である。透明漿液性のものから,粘液性,膿性までさまざまな性状が観察される。異常な尿道分泌物の出現は尿道炎によって引き起こされることが多く,若年男性では性感染症が原因となることが多い。原因となる病原菌はウイルスから原虫まで多岐にわたることが知られているが,淋菌とクラミジアを病因とするものが臨床的に重要である。すなわち,①淋菌性尿道炎,②非淋菌性尿道炎(クラミジア性尿道炎を主とするSTD),③淋菌性尿道炎と非淋菌性尿道炎の混合感染,④上記以外の尿道感染症に分類される。
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