今月の臨床 婦人科外来
外来診察と検査
5.腟分泌物検査
出井 知子
1
,
坂元 秀樹
1
,
佐藤 和雄
1
1日本大学医学部産婦人科
pp.403-409
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903596
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●はじめに
帯下の異常を主訴とする患者は,幼児から閉経後の女性までさまざまであり少なくない.そのため診断と治療に先だって,月経の周期,掻痒感,疼痛,帯下感など不快感の性状や,糖尿病,肝・腎疾患,悪性腫瘍などの内科的疾患,精神疾患,アレルギー,薬物常用,性病の可能性,腟内異物や避妊具の挿入,あるいは性的暴力の関与がないかなどの問診が重要である.
視診では,量,色,臭い,性状がチーズ状,粥状.酒粕状,泡沫状,膿状,肉汁状,粘液性,漿液性などと表現され,さらに腟や外陰部の病変がないかなど数多くの観察項目が挙げられる.この際,最初に内診をしたり,消毒を行わないように注意する.
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