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特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル
Ⅳ ベッドサイド検査の実際
■3.尿流動態検査
043 プレッシャーフロースタディ
Pressure-flow study
柑本 康夫
1
,
小川 隆敏
2
,
原 勲
1
Yasuo Kohjimoto
1
,
Takatoshi Ogawa
2
,
Isao Hara
1
1和歌山県立医科大学泌尿器科学
2海南市民病院泌尿器科
pp.239-244
発行日 2012年4月5日
Published Date 2012/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102760
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[1]目的と適応
尿流低下がみられる場合,その原因が前立腺肥大症などの膀胱出口部閉塞にあるのか,膀胱収縮力の低下によるものかを鑑別しなくてはならないが,膀胱内圧測定のみでは判定できない。プレッシャーフロースタディ(PFS:内圧尿流検査)は,膀胱内圧,直腸内圧(腹圧),排尿筋圧(膀胱内圧から腹圧を差し引いた圧:検査機器が自動的にリアルタイムで表示する)を測定し,排尿時の尿流率と排尿筋圧の関係から膀胱出口部閉塞の程度や膀胱収縮機能を評価しようとする検査である(図1)1)。通常は,排尿時のみならず,蓄尿期の圧測定も行うため,膀胱容量,不随意収縮の有無,コンプライアンスなどの蓄尿機能も同時に評価できる。排尿障害の診断や治療において鍵となる貴重な情報が本検査から得られる。
下部尿路症状(lower urinary tract symptoms:LUTS)を有するすべての患者が適応となる。自覚症状に乏しい場合でも,スクリーニングとして施行した尿流測定,残尿測定に異常がある場合や,術後に排尿障害をきたす可能性の高い骨盤内手術の術前検査として施行することもある。過活動膀胱や腹圧性尿失禁の保存的治療例には必須ではないが,初期治療による改善が不良の場合にはよい適応である。
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