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特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル
Ⅲ ベッドサイドトラブル対処法
027 CAPDの合併症
Complications in the management of CAPD patients
花島 文成
1
,
矢内原 仁
1
Fuminari Hanashima
1
,
Hitoshi Yanaihara
1
1埼玉医科大学病院泌尿器科
pp.156-160
発行日 2012年4月5日
Published Date 2012/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102686
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[1]はじめに
1970年代に開発された腹膜透析は,当初は小分子量の除去効率は血液透析より若干劣るものの,中分子量物質の除去効率は優れるとされていた。しかし,血液透析の進歩に伴い,現在では除去効率においても腹膜透析の優位性はなくなっている。2010年のわが国の透析人口は297,126人であり,前年度に比べて6,465名(2,2%)の増加であった。しかし腹膜透析患者数は9,728人(3.3%)であり,前年度より130人減少(0.1%減少)した1)。新規導入数も昨年と比較すると0.1%減少,死亡患者数も2.8%増加している。人工透析患者数に占める腹膜透析患者数の割合は近年各国で減少傾向であるが,わが国は腹膜透析の割合が最も低い部類に入る。腹膜透析患者の減少は関与する医療従事者の減少を招き,合併症への理解の低下にもつながり,さらに患者管理を悪化させる原因ともなり得ることは今後注意が必要なことだろう。
腹膜透析の主たる合併症は表1に示したが,本項ではカテーテル挿入時の合併症に加え,感染性合併症と外科的処置を必要とする合併症を中心に,診断,治療,予防について要点を示す。
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