増刊号特集 泌尿器科 病棟管理マニュアル
Ⅳ.ベッドサイドトラブル対処法
CAPDの合併症
丹治 進
1
Susumu Tanji
1
1岩手医科大学泌尿器科
pp.229-233
発行日 2002年3月30日
Published Date 2002/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904610
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1 はじめに
CAPDで導入される透析患者数は全国で年間約1,200名を数えるが,CAPDの総患者数は1997年をピークに増加がなく,2000年末の時点では慢性透析患者206,134名中8,650名(4.2%)に留まっている1)。これは,合併症や透析能低下によりCAPDを離脱する患者が年間約10%以上みられることによる。また,生命予後面からも,CAPDは中長期には予後効果が著しく低下する。すなわち,現行のCAPD療法は長期透析療法としては何らかの不合理性を有し,かつ,その対策がいまだ十分に図られていないことを表している。このためCAPD治療を継続させるには,治療法のさらなる改良を図る一方で,個々の患者において合併症対策を綿密に行うことが必須となる。CAPDの合併症を表1に示す。この中で比較的ルーチンに遭遇するのは腹膜炎やPDカテーテル関連の感染症である。また,硬化性被膿性腹膜炎対策も最近重要視されている。ここでは,表1の1.〜3.についての治療の概略と要点を示すが,他の合併症については紙面の制限上割愛する。
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