交見室
根治手術vs機能温存手術
勝岡 洋治
1,2
1大阪医科大学
2社会医療法人信愛会畷生会脳神経外科病院
pp.693
発行日 2011年8月20日
Published Date 2011/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102471
- 有料閲覧
- 文献概要
過日,名古屋市で開催された第99回日本泌尿器科学会総会(会長:郡 健二郎教授)で,ディベート企画「根治手術vs機能温存手術」が行われました。会場は満席で立ち見がでるほどに盛況で,会員の皆さんの関心の高さをうかがい知ることができました。しかし,時間の制約もあり,十分な議論ができず争点を浮き彫りにできなかったのではないかとの思いが残り,座長として責任を感じています。そこで,事前の打ち合わせ会での楽屋話も含めて,Take home messagesを作成してみました。
今日,悪性腫瘍に対する外科療法の到達目標は,根治性を担保し同時に対象臓器あるいは隣接する組織の形態と機能をできるだけ温存することです。しかし,根治性を徹底追及すると機能を犠牲にせざるを得ないという事態に遭遇します。そして,機能温存手術の長期予後については科学的根拠に乏しく,その実施には技術上の制約があります。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.