- 有料閲覧
- 文献概要
2011年4月21日~24日まで,第99回日本泌尿器科学会総会が開催された。3月の日本全体をゆるがす大震災の後,開催の実施さえ危ぶまれたにもかかわらず,盛大に敢行され無事終了する結果に多くの方々が感動を覚えたことだろう。実際,一部外者にすぎない私も,開催決定の通知をいただくまではこう思っていた。「恐らく今回は中止だろう。著名人の座談会,医学歴史館,医道白寿企画,フロンテイア企画,未来講演など,独創性に富む企画が多いだけに,なんと残念なことだろう」と。ところが開催されると知り,今度は逆に心配になった。「大丈夫なのだろうか。東北の先生方の多くは来られず,演題取り下げが続出するのではないだろうか。海外から講師の先生ははたして来てくださるであろうか」と。いずれにせよこれまでの名古屋市立大学の先生方の準備のご苦労が報われなくなってしまうのではないかと,心が滅入った。しかし,学会長の郡 健二郎先生が同門の東北地方の先生方とよくよくご相談され,大学はじめ各方面の関係者と十分に検討協議され,リスクはもちろんご承知のうえでの勇気あるご決断だったろうと推察した。深く頭が下がる思いだった。このたび,「総会印象記」を執筆させていただくことになったが,残念ながら多くのプログラムを聴講することができなかったので,私の関わった部分のみについて書かせていただこうと思う。
昨年秋,私のところへ「めざせ! 泌尿器科の星 活躍する女性医師」のセッションへの参加依頼の手紙が届いた。素晴らしいお人柄とうかがいながら,直接の面識はなかった郡教授からであった。非常に光栄なことと思いながらも,当初の自分に与えられたお題が「家事と部長職の両立」であったので,正直どうしたらよいものかと天を仰いだ。両方とも完璧とは程遠い自分には,もっとも苦手な話題だった。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.