学会印象記
「第99回日本泌尿器科学会総会」印象記
三木 誠
1,2
1東京医科大学
2新宿石川病院
pp.597-599
発行日 2011年7月20日
Published Date 2011/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102446
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第99回日本泌尿器科学会総会は4月21~24日までの4日間,名古屋国際会議場で開催された。会長は名古屋市立大学の郡 健二郎教授で,そのメインテーマは「医道白寿~永遠への途上」であり,会長の思いをこめた企画が随所にみられた素晴らしい学会であった。
総会開催の丁度40日前の3月11日に未曾有の東日本大震災,それに続いて福島原発事故が発生し,他の多数の学会が中止または延期となる混乱の中,予定通り開催されたことは,名古屋が震災と無関係の地であったことを抜きにしても正に称賛さるべきことである。開催時に配布されたプログラムに,東日本大震災にあたっての追加テーマとして「陽は必ず東から昇る」を加え,このメッセージが会場のいたるところに張り出され,例年の学会と違う雰囲気に包まれていた。プログラムに内藤誠二理事長と郡健二郎会長の名で記された挨拶文が載っているが,その中に国難ともいうべき震災後の混乱時に開催に踏み切るまでの経緯と意気込みが綴られている。特に東北地方から「この時期だからこそ沈み込まないで,総会を開いてほしい」との要望があったことが,会長はじめ開催する主幹教室の皆様を力づけたようである。そしていまだ十分に復旧していない交通事情にもかかわらず,東北地方からも多数の参加者があり,総参加人数が会員・非会員・研修医ら約6,700名,企業,市民の参加者を含めると実に9,500人に達したと知り驚いている。講演会場だけで15会場あり,それにポスター会場や展示会場などが加わり,一般演題1,450題余に主要プログラムを加え約2,000題という今までにない規模の総会であった。
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