特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅳ 開腹手術
■根治的前立腺摘除術
102 どうも直腸を損傷したようだ
濵崎 務
1
,
木村 剛
1
,
近藤 幸尋
1
Tsutomu Hamasaki
1
,
Go Kimura
1
,
Yukihiro Kondo
1
1日本医科大学泌尿器科
pp.275-276
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102350
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Q 根治的前立腺摘除術を開始した症例。逆行性で前立腺を摘出したが,前立腺尖部を離断して起こしてくる際に,どうも直腸を損傷したようだ。
[1]概 説
限局性前立腺癌に対する手術療法として,恥骨後式前立腺全摘除術が広く行われてきている。手術手技の進歩により合併症が少なくなってきているものの,なくなることはないと思われる。重大な合併症の1つとして直腸損傷が挙げられるが,その頻度は1~1.5%1~3)とされており,比較的稀ではあるものの致命的な転帰をきたす場合がある。
特に前立腺尖部を離断して起こしてくる際に,前立腺・直腸間に豊富な脂肪があるとイメージしたまま盲目的な鉗子や指の操作で損傷することが多いように思われる。
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