特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅱ 体腔鏡下手術
■腹腔鏡下根治的前立腺摘除術
042 恥骨が邪魔になって膀胱尿道吻合がうまくいかない
松沢 一郎
1
,
濵崎 務
1
,
近藤 幸尋
1
Ichirou Matsuzawa
1
,
Tsutomu Hamasaki
1
,
Yukihiro Kondou
1
1日本医科大学泌尿器科
pp.121-122
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102288
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- 文献概要
Q 腹腔鏡下根治的前立腺摘除術を開始した症例。12時あたりの膀胱側の壁が尿道側より余ってしまい,運針の際に恥骨が邪魔になり,膀胱尿道吻合がうまくいかない。
[1]概 説
腹腔鏡下根治的前立腺摘除術の難所はさまざまあるが,そのうちの1つは膀胱尿道吻合である。結節縫合か連続縫合かの違いはあるが,一番テンションのかかる1針目が最も難しい。また,12時方向の運針も,恥骨と膀胱の間の空間が狭くなった場合,運針に手こずることがある。日本人はもともと体型が小さいうえに,狭骨盤や肥満体型の場合,その空間は高さ1cm程度になることがある。
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