特集 新生児と未熟児の問題
どうもうまくない現行の母子手帳—こうしてみたい私の工夫
竹内 繁喜
1
1都立築地産院
pp.66-67
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202313
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1.はじめに
母子手帳または妊産婦手帳制度ができて,もう20年ぐらい経つだろう.そのねらいが母子保健の向上にあることはいうまでもないが.発行当初には戦中戦後の物資不足時代における妊産婦必要物資の配給を円滑ならしむる意図が多分に含まれていたことは否定できない.いずれにしてもこの手帳が母子保健の分野で果たして来た役割はきわめて大きく,この制度をドイツにならつて日本に取り入れた瀬木教授の功績を私達は決して忘れてはならない.
ところが,長い間この手帳を利用して来て,不都合な点,改良してほしい点を少なからず感じているが,近頃小児発育の目覚ましい向上に伴つて,母子手帳に添えられている発育表が,大々的に改変される運びになつたこの機会に,改めて母子手帳を今一度全般的に検討して,愚見を述べてみたいと思う.
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