特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅳ 開腹手術
■根治的腎摘除術
063 誤って胸膜を損傷してしまった
岡田 弘
1
Hiroshi Okada
1
1獨協医科大学越谷病院泌尿器科
pp.179-180
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102311
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Q 第11肋骨切除による腰部斜切開で,根治的腎摘除術を開始した症例。いつの間にか胸膜を損傷していることが明らかになった。
[1]概 説
第12肋骨切除による腰部斜切開の場合には,肋骨裏面に胸膜が存在することは少ないが,第11肋骨切除の場合には,その裏面に胸膜が存在することが多いため,これを肋骨裏面から十分に剝離してから肋骨切除にかかることが肝心である。胸膜損傷は,損傷部から呼吸に合わせて上下する肺を直視できるので,診断は容易である。大きな胸膜損傷は稀であるため一期的に閉鎖可能であり,胸腔内ドレーンの留置は不要である1,2)。
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