特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
企画・編集にあたって
藤岡 知昭
pp.5
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102243
- 有料閲覧
- 文献概要
「臨床泌尿器科」編集顧問の小川秋實先生は,著書である『膀胱全摘除と尿路変向・再建のテクニック』(医学書院)の諸言において,手術を執刀する外科医(泌尿器科医)の目指すべき目標像について簡潔に述べています。すなわち,「手術には知識と技術,それに決断力がいる。知識は,局所解剖・創傷治癒理論・術前術後管理・各種手技の手順と特徴などを知っていることを指し,技術は,切開・剝離・止血・縫合という基本手技を確実に実施できることを指す。どのように大きな手術でも基本手技の積み重ねにすぎない。決断力は,大量出血・偶発的他臓器損傷など異常事態や想像と異なる場面に遭遇したときに,迅速に対応を決定するために欠かせない。優秀な外科医は,知識・技術・決断力のすべてに優れている」と。泌尿器科医各人の技量の重要性が強調されています。
泌尿器科医は,いうまでもなく,日常診療の中で優れた技量を持つとともに,それを維持しさらに向上させる姿勢が重要であり,それは臨床医として課せられた使命であると思います。この臨床医としての基本的な技量は,臨床研修の場において指導医や教科書から学ぶことができますが,特に手術中のトラブルに関しては教科書的に対処できない場合が多々あります。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.