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医療はめまぐるしく変化していますし,医療を取り巻く環境も変化しています。今回,『泌尿器科ベッドサイドマニュアル』を企画するにあたって,編集委員が心掛けたことはこの変化に対応した実践的なマニュアルを作成することでした。第Ⅰ章の泌尿器科診療の基本では,現在の医療での常識であるインフォームド・コンセント,クリニカルパス,リスクマネジメントについて詳細に解説されています。これらの横文字は編集委員がレジデントだった頃にはなかった概念です。この機会にぜひともご一読下さい。保険診療も第Ⅰ章で取り上げました。保険も変化しています。国民の健康に貢献するという社会的な使命の実行には,保険制度の理解と実践が必須と考えられます。今年は国民皆保険50周年の節目の年です。理解を深めるよい機会であると考えていますのでご一読をお願いします。
「変化」を強調しましたが,私たち泌尿器科の診療では変わらない大切な手技が数多くあります。泌尿器科医としてスタートを切った専修医の先生は,まずこれらの基本手技を習得することが重要です。ベッドサイドの処置と検査を第Ⅱ章と第Ⅳ章でまとめました。中堅の先生におかれましても,自らの技術をブラッシュアップするのに十分役立つマニュアルです。本書の特徴として付録を充実させることも心掛けました。手元で参照することの多いノモグラムや早見表なども誌面の許す限り掲載しております。泌尿器科医としての第一歩を踏み出したレジデントの先生にとって,わからないことが山ほどあっても病棟での患者の管理では大いに活躍を期待されていると思います。診療で困ったときに助けてくれるのがマニュアルです。第Ⅵ章では,代表的な手術における周術期管理の要点が示されているので活用してください。さらに,病棟管理での腕のみせどころは,合併症を持つ患者に問題なく手術を受けさせて順調な経過で退院させることと,予期せぬ合併症が生じたときの迅速かつ適切な対応です。第Ⅴ章と第Ⅲ章でまとめていますので,該当する患者を受け持った際にはぜひとも活用してください。
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