画像診断
慢性腎不全患者においてPET/CT検査を契機に発見された膀胱癌
加藤 廉平
1
,
常盤 傑
1
,
小原 航
1
1岩手医科大学泌尿器科
キーワード:
PET
,
膀胱腫瘍
Keyword:
PET
,
膀胱腫瘍
pp.345-348
発行日 2010年4月20日
Published Date 2010/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102040
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患 者 60歳,男性。
主 訴 胸部腫瘤精査。
既往歴 30歳代から糖尿病に対しインスリン加療中。50歳から高血圧,閉塞性動脈硬化症に対し内服加療中。56歳で糖尿病性腎症による慢性腎不全のため血液透析導入。
現病歴 2008年12月,血液透析中の定期胸部X線検査で多発性肺結節影を指摘され,原発巣精査のため[18F]fluorodeoxyglucose positoron emission tomography(FDG-PET)(Biograph6®:SIEMENS社)を施行した。膀胱,肺に集積を認め,膀胱癌肺転移が疑われた(図1)。精査加療目的に同年4月当科紹介となった。当科入院後の胸部CTで,肺門部の腫瘤陰影(図2)と両肺野の多発性結節影を認めた(図3)。その他,傍大動脈領域および骨盤内リンパ節腫大や腹水は認めなかった。骨盤部MRIでは膀胱壁の不規則な壁肥厚,T2強調像で腫瘍基底部に膀胱筋層断裂像を認めた(図4)。膀胱鏡検査で膀胱内に多発する広基性乳頭状腫瘍を認めた。生検病理結果はurotherial carcinoma,G3であった。膀胱癌多発性肺転移(T3a N0M1,stage Ⅳ)と診断し,現在,全身化学療法(gemcitabin+carboplatin)施行中である。
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