書評
「神経診断学を学ぶ人のために」―柴﨑 浩 著
荒木 淑郎
1
1熊本大学
pp.238
発行日 2010年3月20日
Published Date 2010/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101917
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この度,日本を代表する臨床神経生理学者で,かつ優れた神経内科医である京都大学名誉教授 柴﨑浩氏により,新しい神経診断学の書物が刊行された。国内はもちろん,国際的にも高名な著者による診断学の手引書であり,この機会を借りて心から喜び,お祝いを伝えたい。
日本で最初に神経内科の講座が文部省により承認されたのは1963年,九州大学医学部であった。翌年には,附属病院に独立の神経内科が発足した。黒岩義五郎教授,私が助教授を務めたとき,柴﨑氏は入局した。この出会いを通じて,氏の性格,態度を知ることができた。柴﨑氏は,素直で,真摯な努力家であり,優れた才能を持ちながら謙虚であり,友人を大切にする,素晴らしい人格者であることを知り,将来必ずや嘱望される医師になるであろうと期待していた。果たせるかな,米国ミネソタ大学神経内科レジデントを終え,英国留学で神経生理学を深く学び研究業績を挙げ,今や国際的に活躍する学者へと成長した。同門の一人として喜びに堪えない。
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