書評
「透析療法事典 第2版」―中本雅彦,佐中 孜,秋澤忠男 編
岸本 武利
1
1大阪市立大学・泌尿器科学
pp.1049
発行日 2009年12月20日
Published Date 2009/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101863
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医学書院より出版された『透析療法事典(第2版)』は初版から10年を経て内容を一新,進化させ編纂されている。エビデンスに基づいた腎不全に対する透析療法とその関連領域を網羅し,優れた編集により検索しやすい。また透析医学・医療のテキストブックにもなり得,透析医療に関わるすべての人の必携すべき書の1つである。
透析医学・医療は従来の身体系統的医学分類には入れることのできない学際領域であり,わが国では約半世紀前から腹膜透析,血液透析の血液浄化法が腎不全の救命手段として臨床に導入され,成果を挙げてきた。当初は安全で副作用の少ない治療法の開発が急務で,腎機能が廃絶し長期にわたるこの腎補助療法が人体にどのような影響を与えるか未知であった。また学際領域であるが故に,それぞれ異なった分野の医師が携わっていたため,皆が知恵を持ち寄り問題解決の努力を重ね発展させてきた。
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