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4.尿路結石
【尿管結石】
52.頻尿,残尿感,排尿時痛を伴う下部尿管結石の患者です。対処と処方について教えてください。
加藤 良成
1
,
奥田 康登
1
,
森 康範
1
,
井口 正典
1
1市立貝塚病院泌尿器科
pp.179-181
発行日 2008年4月5日
Published Date 2008/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101431
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1 診療の概要
下部尿管結石が膀胱近傍に下降してくると,膀胱刺激症状が排石までの間,断続的に出現する。患者は尿が膀胱に貯留していないのに尿意を感じてトイレに行くが,一回排尿量が少ないため,「急に尿が出なくなった」,あるいは「数日前から排尿困難が続いており,尿道に結石が嵌まり込んだのではないか?」と訴えて救急受診することが,たびたびある。「尿が出ない」と報告を受けた当直医は,反対側に腎結石がある患者の場合,両側尿管結石になって乏尿または無尿になった可能性をも心配しなければいけない。
KUBを撮影し,結石が膀胱近傍に下降していることを確認して,患者も当直医もほっとすることが日常診療で起こり得る。このような事態を避けるためには,尿管結石と最初に診断したときに,自然排石の過程で起こり得るさまざまな自覚的症状について十分に説明し,膀胱刺激症状は排石直前のサインであることを理解させておけば,患者も慌てることはなく,無用な受診もしなくて済むであろう。
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