特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション
1.尿路・性器の炎症性疾患
■性感染症
【HIV感染症】
23.開腹手術目的に感染症を調べたところ,HIV陽性でした。その対処,診療する際のポイントについて教えてください。
味澤 篤
1
1東京都立駒込病院感染症科
pp.80-81
発行日 2008年4月5日
Published Date 2008/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101399
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
1 診療の概要
HIV感染症はhuman immunodeficiency virusによって生じる。HIV感染症の進行した状態がAIDS(acquired immunodeficiency syndrome)である。免疫不全を生じ,日和見感染症,腫瘍および臓器障害を生じる。診断はHIV抗体検査で,感染後2週間から数か月すると陽性となる1)。その時期に一致して半数の感染者は伝染性単核症類似の症状を呈し,急性感染期と呼ばれる。この時期は血液中のHIVウイルス量が多く,患者によっては抗体産生が起こっていない場合もあり,HIV-RNA測定が有用である。また,HIV抗体検査では偽陽性も多いので,確認検査が必須である。
国内では2006年末現在,HIV感染者8,344例,AIDS患者4,050例が報告されている。特に,日本人男性に関しては2006年1,122例と,増加傾向に歯止めがかからない状態になっている。したがって,開腹手術の際にHIV感染症が判明する例も増加傾向にある。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.