特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術
C.腹腔鏡下手術
【腹腔鏡下腎摘除術】
54.腹腔鏡下左腎摘除術を施行中の患者です。下行結腸からS状結腸を剝離・脱転したと思うのですが,なかなか腎茎を同定できません。腎茎らしい血管があれば処理してしまってよいのでしょうか。また,何が考えられるでしょうか。
鶴 信雄
1
,
鈴木 和雄
1
,
伊原 博行
1
1新都市クリニックからだに優しい手術センター泌尿器科
pp.168
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101131
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経腹到達法による腹腔鏡下左腎摘除術の場合,下行結腸外側のToldtの白線に沿って腹膜を切開する1)。注意深く癒合筋膜と腎筋膜の間の剝離面を同定したあとは,その剝離面に沿って前腸骨棘の高さから頭側は脾臓外縁まで十分に腹膜を切開しておく必要がある。癒合筋膜(もしくは腹膜)と腎筋膜の間は,鈍的剝離できれいに分かれるため,そのまま腎内側に向かうと,薄い腎筋膜越しに腎静脈(もしくは流入する性腺静脈)が透見できるはずである。腎動脈はその裏側にある。
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