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盛岡赤十字病院は,大正9年4月,大正天皇御即位記念事業により日本赤十字社岩手支部病院として石川啄木や宮沢賢治の学び舎であった旧盛岡中学校跡地に創立され,98床の病院として診療を開始しました。隣接して岩手医科大学,ごく近くに県立中央病院がある盛岡の中心地で,地域保健医療,医療救護などの役割を果たしながら375床の総合病院に発展しました。しかし,中心地であるがゆえに岩手県庁やビルが立ち並ぶようになり,医療環境の悪化と病院群の集中のために,昭和62年12月に盛岡市の南(旧都南村)に新築移転しております。現在地は,南部富士といわれる岩手山を遠望し,北上川湖畔に第1回病院建築賞を受賞した低層の病棟群が立ち並ぶ,豊かな緑に包まれた環境にあります。一般病床も492床に増床され,診療科目18科,常勤医師数約50人で,1日の外来患者数1,000人と盛岡市南の周辺地域の中核病院として機能しています。
泌尿器科は,皮膚泌尿器科兼任の外科から昭和51年4月に分離され,岩手医科大学泌尿器科教室から沼里進部長(昭和44年東北大学卒)が着任されています。以降26年間,大学からの派遣医師との常勤2名の体制で,平成13年より筆者が常勤となり診療を行っています。現在の外来診療は,月から金曜日まで予約による午前の1診制で,1日の外来患者数が約80名と多いため,14時過ぎまでかかってしまうのが現状です。また,泌尿器科が慢性腎不全の治療を担当し,透析器20台で外来透析治療も行っているため,もう1名が透析,病棟回診,処置にあたっています。午後は,水曜日にCAPD外来を設け約15名の診察を行う以外は手術を週2~3日行っており,検査も前立腺生検を含め週に5~6件,時間のやり繰りに苦労しながら事故のないように心掛けておりますが多忙を極めています。
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