連載 病院めぐり
盛岡赤十字病院
松田 壯正
pp.615
発行日 2004年4月10日
Published Date 2004/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101264
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盛岡赤十字病院は,岩手山と北上川を背景とした自然に恵まれた環境に位置し,病舎は広い敷地のなか,北上川岸に庭園を配し,「緑豊かな環境のなかで心温まる全人的医療」を目指している.岩手県の県庁所在地である盛岡市内の南端に位置し,地域の中核病院として高度先進的な医療を実施しながら,周産期センター,がん診療設備を完備し,また母子保健施設,老人デイケア,人間ドック,人工透析,さらに日本赤十字社本来の仕事である災害救助センターなどを配置し,盛岡市の二次救急施設として多くの救急患者を受け入れている.平成15年には北上河原にヘリポートが完備され,災害救助体制のいっそうの充実がはかられた.
本院は大正9年に大正天皇即位記念事業として創立され,長年,盛岡市中心部で診療を行って「日赤」と親しまれてきたが,施設が手狭で老朽化したため昭和62年12月に現在地に移転した.その当時,市中心部を離れることへの危惧があったというが,広大な駐車場を用意し,施設すべてに空間的余裕がある病院建設は「病院建築賞1991」をいただき,今になってみれば先見の明があったといえる.病床数492床の総合病院として,検診事業,災害時医療活動にも力を注いでいる.
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