特集 前立腺疾患のすべて
Ⅲ 前立腺癌
診断のための検査と評価
前立腺癌:X線造影
西尾 俊治
1
Shunji Nishio
1
1愛媛大学医学部泌尿器科
pp.189-191
発行日 2003年4月5日
Published Date 2003/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100852
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1 尿道膀胱造影
1.目的
前立腺自体のおおまかな大きさの把握,前立腺部尿道の圧迫および浸潤の程度,膀胱頸部への浸潤の有無をみるために行う。また,尿道狭窄の有無を確認するのにも有用である。
2.前立腺癌における特徴的な所見
第3版の「前立腺癌取扱い規約」では尿道膀胱造影に関する記載法はなくなったが,参考までに以下に記載した。
0:尿道造影で異常所見なし
1:前立腺部尿道の変形が認められる
2:尿道粘膜に充溢欠損が認められる
3:膀胱壁に浸潤を疑う所見が認められる
前立腺部尿道の変形は前立腺が腫大しているために生じる変化であり,癌特有の変化ではない。2,3の変化は癌が尿道または膀胱に浸潤していると判定する。
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