特集 前立腺疾患のすべて
Ⅲ 前立腺癌
診断のための検査と評価
超音波法および前立腺生検
大森 聡
1
So Omori
1
1岩手医科大学泌尿器科
pp.185-188
発行日 2003年4月5日
Published Date 2003/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100851
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1 はじめに
前立腺癌に対する超音波診断の意義は,癌検索のスクリーニング検査,浸潤度判定,他疾患との鑑別診断にある。走査法として経腹的走査,経会陰的走査,経直腸的走査が挙げられる。このうち経腹的走査は特別な探触子を要さず容易に施行でき前立腺の横断像から縦断像まで比較的自由な断面を描出できる点でスクリーニング検査として有用といえる。しかし,膀胱を音響窓として利用する必要があり恥骨後面が死角になることから,前立腺の内部変化の描出には限界がある。よって前立腺癌の早期発見や癌病変の質的診断まで求めるとなると経直腸的走査を用いる必要が生じる。
日本泌尿器学会・日本病理学会編集の「前立腺癌取扱い規約」(2001年4月・第3版)における超音波断層法所見記載法においても経直腸的走査に基づいた記載がなされており,本稿では経直腸的走査を用いた前立腺癌の超音波所見および経直腸的超音波ガイド下生検について概説する。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.