増刊号特集 泌尿器科 病棟管理マニュアル
Ⅱ.ベッドサイド検査の実際
前立腺生検
牟田口 和昭
1
,
中本 貴久
1
Kazuaki Mutaguchi
1
,
Takahisa Nakamoto
1
1広島大学医学部泌尿器科
pp.57-60
発行日 2002年3月30日
Published Date 2002/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904577
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1 はじめに
1980年代後半までは前立腺癌を発見する主な手段は直腸診(digital rectal examination,以下DRE)であったが,前立腺特異抗原(prostate specific antigen,以下PSA)の導入および普及,経直腸的超音波断層法(transrectal ultrasonography,以下TRUS)をはじめとする画像診断の進歩により,前立腺癌の診断率は飛躍的に向上した。最近細い生検針とbiopsy gunに連動した自動装置(BIOPTY GUN,バード社製)の開発により,手技に伴う疼痛が軽減したことで,無麻酔で経直腸的,あるいは局所麻酔で経会陰的に外来レベルでも可能となった。さらに予防的抗菌薬投与で合併症が減少し安全で患者の苦痛が低い方法として前立腺生検の基礎が確立された。1989年Hodgeら1)は6分割法による前立腺生検(six sextant biopsy)の概念を導入し,現在McNealの前立腺局所解剖に従った領域に基づいた系統的前立腺生検法(systematic prostate biopsy)が,日常の臨床に用いられるようになった。
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