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和歌山労災病院は和歌山市の北西部に位置し,昭和41年に開院して以来,和歌山市はもちろん大阪南部の住民の「健康」と「安心」を守るために患者から“選ばれる病院”を理念として患者中心の信頼される医療を行っています。病床数386床,診療科は16科で,1日の外来患者数は約1,000人です。平成16年3月よりオーダーリングが導入され外来も予約制となり,患者の待ち時間も減少しました。また,3月には病院機能評価機構より認定を受け,5月にはかかりつけ医からの紹介率が80%以上などを条件とした地域医療支援病院に県内で初めて認定されました。当院は地域に密着した医療を目指し,近くの総合ショッピングセンターで看護師,栄養士,MSW(医療福祉相談員)による無料相談や各科医師による市民公開講座を毎月1回行っており,当科でも今までに「前立腺癌」「前立腺肥大症」「女性尿失禁」などの講演を行っています。特に「前立腺癌」の講演では講演の前に採血しPSAを測定し,講演後に結果をわたすというサービスもあり大盛況でした。
泌尿器科は,和歌山県立医科大学からの3人の常勤体制で診療を行っています。1日の外来患者は40~50人で,専門外来として月曜日午後に神経因性膀胱外来,火曜日午前と木曜日午後に前立腺外来,火曜日午後と木曜日午後に女性泌尿器科外来を行っています。夜尿症についても学校の予定に合わせ予約制で診療を行っています。手術日は水・金曜日で,平成15年の手術件数は243例でした。主なものはESWL 71例,TUR-BT 43例,TUR-P 31例,腎摘除術7例,腎尿管全摘除術8例,PNL 5例,TUL 1例,膀胱部分切除2例,膀胱砕石術8例,前立腺全摘除術12例でした。泌尿器科の病床数は19床で,平成15年の入院患者数は323名でした。前立腺生検は主にクリニカルパスを用いて行い,平成16年は106例に前立腺生検を行い,30例に前立腺癌が認められました。泌尿器科のある本館3階病棟は消化器内科,眼科の混合病棟で,病棟には担当の薬剤師が配属され服薬指導もほぼ全例に行っています。病棟では毎日看護師を中心としたケースカンファレンスが行われ,病院の理念の1つである「チーム医療」のもと,医師,看護師,薬剤師など皆が一丸となって患者の入院治療を行っています。
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