病院めぐり
山形県立日本海病院泌尿器科
武藤 明紀
pp.980
発行日 2004年11月20日
Published Date 2004/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100648
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酒田市は,山形県の北西部の庄内平野にある港町で,人口約10万人の地方都市です。山形県のみを流れる最上川の河口に位置し,北には出羽富士とも呼ばれる鳥海山がそびえています。その最上川の河口には「最上川スワンパーク」があり,冬にシベリアから白鳥が毎年8,000羽程度飛来し,今では日本一の白鳥飛来地として有名です。
酒田港は開港してすでに500年余,古くから人々や荷物の行き来が多く賑やかで,江戸時代の初めに河村瑞賢が西回り航路を開くと酒田港はさらに賑やかな港になり,貿易の要所として京都・大阪との取引も盛んになり,紅花や庄内米,各地の特産物を積んだ北前船が日本海を行き来しました。商人も多く,廻船問屋鐙屋(あぶみや)や「本間様には及びもないが,せめてなりたや殿様に」で知られる大地主本間家は,全国でも有名な大商人でした。その本間家が出資し酒田米穀取引所の附属倉庫として建てられた山居倉庫は,NHK朝の連続テレビ小説の「おしん」の舞台になったことでも有名です。現在も京都や大阪の文化の名残が残っています。昭和51年10月29~30日にかけて酒田大火が発生し,中心市街地が焼き尽くされました。しかしその後の目覚ましい復興によって,以前にも増して新しい街づくりが進められ,昨年,市制施行70年を迎えました。平成3年には庄内空港が開港,平成9年には高速道路が酒田まで延伸し,交通過疎とまで呼ばれた庄内地方にもようやく経済の動脈が完成しました。
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