書評
糖尿病診療事典 第2版
赤沼 安夫
1
1朝日生命成人病研究所
pp.939
発行日 2004年11月20日
Published Date 2004/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100639
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本書の初版にあたる『糖尿病治療事典』が世に出て8年が経過し,この度,その第2版が編集者の繁田幸男,景山茂,石井均の3人の先生方の大変な御尽力と,実に160名にのぼる先生方の協力により出版された。ページを開いていくと,わかりやすい図,表が適切に組み込まれ,テーマごとに少ないページ数の中にも簡潔に要領よくまとめられていることがわかる。目次やキーワードを眺めると,糖尿病の診療において欠かせない項目のほとんどすべてが網羅されているといっても過言ではないと思われる。本書は糖尿病診療の場において百科事典的に活用できるのが最大の利点であろう。
以下,項目のいくつかをピックアップして述べてみたい。疫学と予防では糖尿病の有病率,発生率,そして,それらの国際比較と日本人の糖尿病の特徴が述べられ,その背景にある遺伝因子と環境要因を取り上げ解説されている。糖尿病の一次予防については主要な介入試験について記載され,これらの成果などを参考に作成された健康日本21の要約が載せられている。診断の項では日本糖尿病学会の診断基準を2ページに簡潔にしかも正確にまとめてある。まず,読者にとってこの項は必読のところであろう。
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