小さな工夫
尿管皮膚瘻カテーテルや経皮的腎瘻カテーテルの自然抜去を防ぐための簡便な方法
森山 浩之
1
Hiroyuki Moriyama
1
1JA尾道総合病院泌尿器科
pp.324-325
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206619
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根治的膀胱全摘除術後の尿路変向法として尿管皮膚瘻を選択した場合,チューブレスにできる可能性は高い1).一方,術前から腎機能障害を有する患者では術後にチューブレスとした場合,軽度の尿流障害でも腎機能のさらなる悪化を来すため,スプリントカテーテルの挿入を必要とする.また,経皮的腎瘻造設術を行う場合,特に長期の留置が予想される患者では径の大きなバルンカテーテルの挿入が適切である.しかし,水腎が強くない症例では腎盂にバルンを膨らませるスペースがなかったり,何とか挿入したとしても腎盂で膨らませたバルンにより腎杯から腎盂内への尿流が妨げられるなどの理由で,バルンではなく8Fr程度の細いピッグテイルカテーテルを選択せざるを得ない.
このような比較的細径の皮膚瘻・腎瘻カテーテル挿入中の患者では,カテーテルが自然抜去してしまうなどのカテーテルトラブルが24時間いつでも発生しうる.また最近当科では,留置中の尿管皮膚瘻カテーテルの先端が皮膚瘻から尿管へ迷入したため,腎瘻造設が必要となった患者を経験した.これまで当科では,このようなカテーテルトラブルを減らす目的で,尿管皮膚瘻の場合は油性マジックにてストマ直上のカテーテルに目印をつけておき,患者自身がカテーテルの位置が適正か否かを確認できるようにしたり,腎瘻の場合は皮膚への固定糸でカテーテルを結紮した部位を瞬間接着剤で固めて,滑脱することがないようにしたりするなどを試みてきた.
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