特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
7.腎不全
【急性腎不全】
83.急性腎不全をきたした患者です。対処と処方,および透析療法に入るタイミングについて教えて下さい。
武本 佳昭
1
1大阪市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学
pp.300-302
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100291
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1 診療の概要
急性腎不全は,その言葉どおり急激な腎機能の低下を示す症候群のことである。急性腎不全は多臓器不全の1つとして出現することもある。したがって,原因には種々のものがあり,急性腎不全の病態を的確に把握することが必要である。
1.急性腎不全の診断
もともとの腎機能が正常な場合に,血清クレアチニン値が1日0.5mg/dリットル以上の上昇を続けるか,血清クレアチニン値が急激に2.0mg/dリットル以上に上昇した場合を急性腎不全と診断するが,明確な診断基準はない。本来,腎機能を血清クレアチニン値で表せないと考えられるが,急性腎不全のように緊急の病態では,臨床上は血清クレアチニン値を用いて上記の基準で診断を行うことになる。多くの場合に尿量は減少するが,腎障害の程度が軽度であれば尿量の減少は当然軽度になる。一般的には1日尿量が400mリットル未満を乏尿性急性腎不全,それ以上を非乏尿性急性腎不全と分類している。
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