特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
3.前立腺肥大症
【前立腺肥大症】
46.尿閉をきたしている前立腺肥大症の患者です。対処と処方について教えて下さい。
斎藤 誠一
1
1東北大学医学部泌尿器科
pp.164-166
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100254
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1 診療の概要
1.定 義
尿閉は,尿が膀胱に充満しているのに自力で体外へ排泄できない状態をいう。患者は,膀胱の緊満のために苦痛,苦悶状態となるため,何よりもまずそれらの症状を和らげてあげることが必要である。その後は,患者のperformance statusを考慮に入れ,どのような戦略をとるべきかを検討する。
2.原 因
尿閉の原因としては,下部尿路通過障害(前立腺肥大症,前立腺癌など),神経因性膀胱(糖尿病,骨盤内臓手術後など)が挙げられる。ここでは前立腺肥大症について取り扱うが,尿閉は前立腺肥大症による閉塞そのもののほかに,前立腺肥大症が根底に存在していたところにアルコール摂取や薬物(風邪薬)が誘因となって惹起される場合がしばしば観察される。
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