特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
1.尿路・性器の炎症性疾患
■非特異性感染症
【前立腺炎】
10.急性前立腺炎の患者です。対処と処方について教えて下さい。
黒田 昌男
1
1日生病院泌尿器科
pp.43-45
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100218
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1 診療の概要
前立腺炎は50歳未満の男性では泌尿器感染症のなかで最も多いものであり,50歳以上でも前立腺肥大症,前立腺癌についで多くみられる前立腺疾患である。前立腺炎は小児にはほとんどみられないが,成人男性では全年齢にわたってみられ,30歳代後半から40歳代に多くみられるとされている1)。
急性前立腺炎は,前立腺全体に細菌感染が起こることがその病因である。下部尿路感染症を伴うことがほとんどで,敗血症となることもある。原因菌は腸内細菌であるグラム陰性桿菌がほとんどで,大腸菌が最も多い(表1)。ほかに緑膿菌,セラチア,クレブシエラなどが原因菌として多くみられる。グラム陽性菌では腸球菌が最も多く,ブドウ球菌もときおり原因菌となることがある。細菌感染よりも臨床症状は軽いが,クラミジア(Chlamydia trachomatis)も前立腺炎の原因微生物の1つである。
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