特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
4.尿路結石
【腎臓(腎)結石】
51.高カルシウム尿症で腎に結石が多発している患者です。結石の予防法について教えて下さい。
西山 勉
1
,
高橋 公太
1
1新潟大学大学院腎泌尿器病態学分野
pp.182-185
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100259
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1 診療の概要
カルシウム結石形成の機序は尿中シュウ酸カルシウム過飽和,結晶核形成,結晶成長,凝集固化という結石形成の流れが考えられる。しかし,いろいろな因子が関連しており,再発予防を完璧にすることは困難なことが多い。明らかな内分泌異常や代謝異常がないにもかかわらず尿中へのカルシウム排泄が多い状態は,特発性高カルシウム尿症や,アセタゾラミド,グルココルチコイド,活性型ビタミンD剤などの治療薬剤などによるものが考えられる。
2 内服薬剤情報
内服薬の情報は,尿路結石の予防に有用な情報を提供してくれる。アセタゾラミドは尿PHをアルカリ化し,尿中カルシウム,リン排泄を増加させる。グルココルチコイドや活性型ビタミンD3製剤は骨からのカルシウム動因,腸管からのカルシウム吸収の増加により,尿中カルシウム排泄を増加させる。過度のカルシウム製剤の摂取はカルシウム吸収の増加により尿中カルシウム排泄を増加させる。
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