特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
1.尿路・性器の炎症性疾患
■非特異性感染症
【精索炎】
13.左精索の腫脹と硬結を訴え,精索炎を疑う患者です。対処と処方について教えて下さい。
中島 耕一
1
1東邦大学医学部泌尿器科
pp.52-54
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100221
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1 診療の概要
鼠径部の違和感を主訴に来院する患者がいる。診察しても特に異常所見を認めないことも多いが,鼠径部であるからまず鼠径ヘルニアの存在を疑い診察を進めることになる。ヘルニアが除外されると,次にわれわれの専門領域である精索の異常の有無を検索する。表1に鼠径部に異常を訴えうる疾患を示す。
ところで,設問は「左精索に腫脹と硬結を認める」患者の対応である。左側でかつ視触診でも実際に異常を認めるとなると,精索の閉塞性血栓性血管炎は想起すべき疾患である。決して報告例は多くないが,現在まで調べ得た限りでは桑原ら1)の報告で両側例を認めるだけで,1935年のMcGavinら2)の報告を最初にほかはすべて左側に生じた症例として報告されている。これらの報告のなかにBuerger病との関連を指摘するものがある3~5)。
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