特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス
E.X線検査法
【CT】
58.CT検査の適応,方法,基本的読影法について教えて下さい。
鞍作 克之
1
1大阪市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学
pp.193-196
発行日 2006年4月5日
Published Date 2006/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100105
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1 はじめに
CT(computed tomography)の基本的な原理は,X線管球を人体の周囲で移動させながら,多くの方向よりX線を照射し,検出器でX線強度分布を測定する。次に測定したデータをコンピュータで処理し,画像を再構築することにより人体の断層像を得る。CTの特徴としてCT値(Hounsfield unit)により組織の組成を正確に判断することが可能である(表1)。すなわち,体内の構成物質をX線吸収値の違いにより識別することが可能であり,造影剤を使用しない単純CTにおいても骨や結石などの石灰化,出血,筋肉,尿や腹水,胸水などの水成分,脂肪組織,空気を鑑別することができる。
泌尿器領域における一般的なCT検査の適応については,腎,副腎などの腹部領域では超音波検査に引き続きCTが施行される場合が多く,膀胱,前立腺などの骨盤では逆に超音波検査のあとMRIが施行される傾向にある。本稿では,臓器別にCTの適応,読影法について概説する。
<注意点>
造影剤を使用する場合,常にショックなど副作用の可能性を念頭に置くことが必要である。ヨード造影剤の副作用は一般に注入後早期に起こることが多く,造影剤注入早期の患者の観察が重要である。また,発疹などの遅発性の副作用が検査終了後に起こることもあり,十分な患者への説明が必要である1)。
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