小さな工夫
経直腸的前立腺針生検のインフォームド・コンセントのためのスライドショー
金子 智之
1
,
本間 之夫
1
1日本赤十字社医療センター泌尿器科
pp.69
発行日 2006年1月20日
Published Date 2006/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100010
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健診などにおけるPSAの認知度の高まりにより,前立腺生検の適応となる症例は増加している。一方で,検査や治療についてより詳しい情報を提示し,患者と共に治療方針を決定していくことが医師に求められており,前立腺生検についても例外ではない。しかし,前立腺生検の適応となる患者に対して外来で費やすことのできる時間には限りがあり,その短い時間で前立腺生検の必要性・手技・合併症などについて医学的知識のない患者が理解できるように説明することは困難であり,対象となる症例が多いだけに医師の負担も大きい。また患者の立場からみても,十分な説明を受けられないために検査の必要性を十分に理解せずに検査に臨むこととなり,不安感・不満を生じる原因となりかねない。
このような状況をわずかなりとも改善するために,当院では前立腺生検の適応となる患者向けに,前立腺生検について解説するナレーション付スライドを作成し使用している(図1,2)。2004年6月の使用開始後は,前立腺生検の適応となるすべての外来患者に対して,診察室とは別の部屋でスライドショーを視聴してもらったあとに説明を行っているが,患者にもわかりやすいと好評であり,追加説明を要することはほとんどないため医師の負担も軽減された。
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