Japanese
English
症例報告
ガス産生菌を起因菌とする壊死性筋膜炎の1例
A case of necrotizing fasciitis due to gas forming bacteriae
国井 隆英
1
,
田畑 伸子
1
,
水芦 政人
1
,
橋本 彰
1
,
舩山 道隆
1
,
菊地 克子
1
,
原 正啓
1
,
高橋 和宏
1
,
末武 茂樹
1
,
照井 正
1
,
田上 八朗
1
,
平井 完史
2
,
佐藤 譲
2
Takahide KUNII
1
,
Nobuko TABATA
1
,
Masato MIZUASHI
1
,
Akira HASHIMOTO
1
,
Michitaka FUNAYAMA
1
,
Katsuko KIKUCHI
1
,
Masahiro HARA
1
,
Kazuhiro TAKAHASHI
1
,
Takaki SUETAKE
1
,
Tadashi TERUI
1
,
Hachiro TAGAMI
1
,
Kanshi HIRAI
2
,
Jou SATOH
2
1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座皮膚科学分野
2東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座糖尿病代謝科
1Department of dermatology, Tohoku University Graduate School of Medicine
2Department of Diabetes and Metabolism, Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
壊死性筋膜炎
,
糖尿病
,
治療
Keyword:
壊死性筋膜炎
,
糖尿病
,
治療
pp.916-919
発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904106
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糖尿病のある52歳,男性に1998年7月初め頃より食欲不振,全身倦怠感が出現した.同時期より陰嚢の腫脹にも気付いたが,放置していたところ,体がよろよろして意識がもうろうとし,動けなくなったため,7月11日に近医を受診し,救急車で当院に搬送された.初診時,陰嚢の著明な発赤,腫脹があり,下腹部,腰部,臀部,股部を中心に浸潤を触れる紅斑を認めた.その周囲の一見正常に見えるところを含め,触診で広い範囲に捻髪音を認めた.同日,緊急に全身麻酔下に壊死巣除去を行ったところ,壊死巣は固有筋膜に沿って側胸部まで及んでいた.肛門周囲の壊死巣の中から魚の骨が見つかり,発症の原因となった可能性が考えられた.壊死巣からの細菌培養でPeptostreptococcus,溶連菌,ブドウ球菌,大腸菌などの複数菌が検出された.一時は敗血症,播種性血管内凝固(DIC)の状態になったが,合計4回の壊死巣除去,植皮を行い,救命しえた.
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