Japanese
English
症例報告
右足の蜂窩織炎から発症した劇症型A群レンサ球菌感染症の1例
A case of toxic shock-like syndrome developed from phlegmon in the right foot
稲垣 克彦
1
,
朝元 有美
1
,
伴野 純代
1
Katsuhiko INAGAKI
1
,
Arimi ASAMOTO
1
,
Sumiyo BANNO
1
1岐阜県立多治見病院皮膚科
1Division of Dermatology, Gifu Prefectural Tajimi Hospital
キーワード:
劇症型A群レンサ球菌感染症
,
蜂窩織炎
,
急性腎不全
,
敗血症性ショック
Keyword:
劇症型A群レンサ球菌感染症
,
蜂窩織炎
,
急性腎不全
,
敗血症性ショック
pp.708-711
発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904053
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65歳,男性.3日前より右足の疼痛,腫脹が出現,当院整形外科を受診し内服抗生剤を投与されたが改善なく,右下肢全体に腫脹が拡大し,右足背一面に弛緩性水疱を伴う暗紫紅色斑が出現したため当科へ紹介された.初診時検査にて,白血球16,300/mm3, CRP 52.45mg/dl,BUN67.9mg/dl,Cr4.38mg/dl,血圧86/60mmHgを認めた.これらより,敗血症性ショックおよび急性腎不全と考え,ICUにおける管理のもと,抗生剤の投与,大量輸液,カテコールアミン投与など全身状態の改善に対しての加療を積極的に施行した.入院3日日には全身症状,腎機能ともに改善を認めた.右足背の破れた水疱からA群レンサ球菌が検出され,臨床症状,検査所見などから,“劇症型A群レンサ球菌感染症・疑い診断例”と考えられた.局所はデブリードマン施行後,バイオブレーン貼付などによる保存的治療にて上皮化を待っている.
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