Japanese
English
症例報告
左中指末梢に生じた有棘細胞癌の1例
Squamous cell carcinoma on the distal phalanx of the middle finger
坂井 真木
1
,
白井 明
1
,
五十棲 健
1
,
野村 智史
2
Maki SAKAI
1
,
Akira SHIRAI
1
,
Ken IOZUMI
1
,
Satoshi NOMURA
2
1東京警察病院皮膚科
2東京警察病院形成外科
1Division of Dermatology, Tokyo Police Hospital
2Division of Plastic and Reconstructive Surgery, Tokyo Police Hospital
キーワード:
爪下有棘細胞癌
,
骨浸潤
Keyword:
爪下有棘細胞癌
,
骨浸潤
pp.558-560
発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904013
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60歳,男性.初診約2年前より左中指のささくれ様皮疹に気づいた.他医にて瘭疽と診断され加療されたが,治癒しないため当科を紹介受診した.左中指爪下から指腹にかけて13×14×3mmの自発痛を伴う肉芽腫様結節がみられた.病理組織学的に爪下から骨に達する有棘細胞癌の腫瘍像を認めた.治療としては,左中指近位指節間関節にて離断した.術後約1年半を経過するが,再発は認められない.爪甲下悪性腫瘍は稀であり,臨床的に爪囲炎,爪真菌症などと似ているため,早期に診断することは一般に困難である.爪下に難治性の潰瘍,爪囲炎を経験した場合,骨X線,生検を試みる必要があると思われた.
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