Japanese
English
症例報告
生検が早期確定診断に有効であった麻疹の1例
A case of measles, where a biopsy was useful for the early definitive diagnosis
杉山 美紀子
1
,
池田 祐輔
1
,
馬場 利容
1
,
末木 博彦
1
,
飯島 正文
1
Mikiko SUGIYAMA
1
,
Yusuke IKEDA
1
,
Riyo BABA
1
,
Hirohiko SUEKI
1
,
Masafumi IIJIMA
1
1昭和大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine
キーワード:
麻疹
,
核内封入体
Keyword:
麻疹
,
核内封入体
pp.407-409
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903972
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28歳,男性.麻疹の既往,予防接種歴はない.初診12日前より感冒様症状が出現し,市販の感冒薬を内服した.いったん解熱後,4日前に再び38℃の発熱とともに皮疹が出現した.皮疹はほぼ全身に浮腫性の紅斑が多発し,融合傾向がみられ,一部では丘疹や漿液性丘疹が認められた.麻疹またはStevens-Johnson症候群を疑い,即日入院のうえ,生検を施行した.凍結切片を用いた迅速病理標本にて,表皮内に核内封入体を持つ多核の表皮細胞が認められたことより麻疹を強く疑った.後日,蛍光抗体間接法にて表皮内に麻疹ウイルス抗原の局在が認められたことや,ペア血清により麻疹ウイルス抗体価の有意な上昇が確認され,確定診断した.麻疹と重症薬疹との緊急な鑑別が必要な場合には,迅速病理診断法は試みてもよい検査法の1つであると考えられた.
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