Japanese
English
臨床統計
アトピー性皮膚炎の診療に対する患者の認識についてのアンケート調査—第2報
A questionnaire on the recognitions to the therapies among the atonic dermatitis patients:The 2nd report
川島 眞
1
,
宮地 良樹
2
,
中川 秀己
3
,
飯塚 一
4
,
伊藤 雅章
5
,
塩原 哲夫
6
,
島田 眞路
7
,
瀧川 雅浩
8
,
竹原 和彦
9
,
橋本 公二
10
,
古江 増隆
11
Makoto KAWASHIMA
1
,
Yoshiki MIYACHI
2
,
Hidemi NAKAGAWA
3
,
Hajime IIZUKA
4
,
Masaaki ITO
5
,
Tetsuo SHIOHARA
6
,
Shinji SHIMADA
7
,
Masahiro TAKIGAWA
8
,
Kazuhiko TAKEHARA
9
,
Koji HASHIMOTO
10
,
Masutaka FURUE
11
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2京都大学大学院医学研究科皮膚病態学
3自治医科大学皮膚科学教室
4旭川医科大学皮膚科学教室
5新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
6杏林大学医学部皮膚科学教室
7山梨医科大学皮膚科学教室
8浜松医科大学皮膚科学教室
9金沢大学大学院医学系研究科皮膚科学
10愛媛大学医学部皮膚科学教室
11九州大学大学院医学研究院皮膚科学
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
アンケート調査
,
ステロイド外用薬
,
抗アレルギー薬
,
民間療法
,
掻破
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
アンケート調査
,
ステロイド外用薬
,
抗アレルギー薬
,
民間療法
,
掻破
pp.304-312
発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903891
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前回調査した530名の患者に第2回アンケート調査を実施し,284名から回答を得た.日本皮膚科学会編「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」に沿う治療法により,大変満足と満足が50.0%,やや満足まで含めると77.8%と高い満足度が得られた.ステロイド外用薬に対する恐怖が前回より減ったとする率は63.3%であり,ステロイド外用薬に対する認識に明らかな変化が生じてきていた.アトピー性皮膚炎の最大の原因をアレルギーと答えた患者が28.2%と多かったが,それとほぼ同数が皮膚の敏感さと答えており,ストレスと答えた患者も19.0%にみられた.抗アレルギー薬,抗ヒスタミン薬に対する評価は,非常に満足と多少満足で65.8%であり,痒みを抑えてくれると感じている率も50.0%で,半数では痒み抑制効果を実感していた.くせで掻くことへの自覚は53.9%でみられ,治療とともに46.7%で減少したが,46.1%では変わらなかった.アトピー性皮膚炎自体が大きなストレスと感じている率は,第1回目アンケートでは58.6%であったが,そのうちの63.8%は治療中に減少したと答えていた.今後医療サイドに求めることは,より効果の高い治療法が55.4%と最も高かったが,医療サイドとの対話30.5%,精神的ケア10.4%と薬物療法以外への要望も高かった.以上より,スタンダードな薬物療法に加え,精神的ケアを含む患者との対話の重要性を認識した日常の診療活動がアトピー性皮膚炎の治療において大切であると考えた.
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