Japanese
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臨床統計
―AD Forum―アトピー性皮膚炎の診療に対する医師の認識についてのアンケート調査(第3報)
A questionnaire on the recognitions to the therapies among the atopic dermatitis patients(The 3rd report)
瀧川 雅浩
1
,
川島 眞
2
,
古江 増隆
3
,
飯塚 一
4
,
伊藤 雅章
5
,
中川 秀己
6
,
塩原 哲夫
7
,
島田 眞路
8
,
竹原 和彦
9
,
宮地 良樹
10
,
古川 福実
11
,
岩月 啓氏
12
,
橋本 公二
13
,
片山 一朗
14
Masahiro TAKIGAWA
1
,
Makoto KAWASHIMA
2
,
Masutaka FURUE
3
,
Hajime IIZUKA
4
,
Masaaki ITO
5
,
Hidemi NAKAGAWA
6
,
Tetsuo SHIOHARA
7
,
Shinji SHIMADA
8
,
Kazuhiko TAKEHARA
9
,
Yoshiki MIYACHI
10
,
Fukumi FURUKAWA
11
,
Keiji IWATSUKI
12
,
Koji HASHIMOTO
13
,
Ichiro KATAYAMA
14
1浜松医科大学皮膚科学教室
2東京女子医科大学皮膚科学教室
3九州大学大学院医学研究院皮膚科学
4旭川医科大学皮膚科学教室
5新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
6自治医科大学皮膚科学教室
7杏林大学医学部皮膚科学教室
8山梨大学医学部皮膚科学教室
9金沢大学大学院医学系研究科皮膚科学
10京都大学大学院研究科皮膚科学
11和歌山県立医科大学皮膚科学教室
12岡山大学大学院医歯学総合研究科皮膚・粘膜・結合織学
13愛媛大学医学部皮膚科学教室
14長崎大学医学部神経感覚医学(皮膚科学)
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
アンケート調査
,
ステロイド外用薬
,
ストレス
,
掻破
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
アンケート調査
,
ステロイド外用薬
,
ストレス
,
掻破
pp.343-352
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101200
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アトピー性皮膚炎患者に対する前2回のアンケート結果と考察に基づき,今回は皮膚科医を対象としたドクターアンケートを実施し,285名から回答を得た.アンケートに回答した医師の98.2%が日本皮膚科学会編「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」を知っていた.治療に関しては,全身投与薬剤では抗ヒスタミン薬と抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬の使用が中心であった.また,外用薬はすべての医師が「いつも」または「しばしば」ステロイド外用薬を使用しており,それを補助するかたちで免疫抑制外用薬のタクロリムス外用薬を用いていた.保湿薬はスキンケアの一環として大体の医師が処方していた.アトピー性皮膚炎との関連性が注目されているストレスについては,90%以上の医師がストレスに起因した掻破が症状に「大きく」または「かなり」関与していると考えており,ストレスを緩和する対策が,アトピー性皮膚炎治療の一つの大きな柱になると思われる.また,患者が民間療法に向かう理由を「ステロイドに対する不安」と考えている医師が一番多く,次いで「医療サイドへの不信感」,「医師の説明が足りない」などを挙げた医師が多かった.薬剤や治療方針の患者への詳しい説明も含め,医療サイドと患者とのコミュニケーションについてはさらに改善する努力が必要である.
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